NOT YOUNGMAN、全国ツアーへ出発 ― 誰も知らない旅のはじまり

2025年10月30日。
朝霧が残る街を、一台の古びたワゴンが走り出した。
運転席に座るのは、NOT YOUNGMANのリーダー MACHIKADO(マチカド)

その隣では、KARASHIが眠り、
後部座席ではASHITAYA RAWが猫背でスマホをいじり、
RORITAROは車内の木目のデザインについて小声で語っている。

彼らは今――全国ツアーに出発した
……ただし、それを理解しているのはMACHIKADOだけだ。


■ 「今日ちょっと出るぞ」から始まった全国行脚

事の始まりは数日前。
リハーサルの休憩中に、MACHIKADOが唐突にこう言った。

「今週末、ちょっと出るぞ。」

メンバーは当然、日帰りの小旅行だと思った。
ASHITAYAはカメラ機材を持参し、KARASHIはおにぎりを2個。
RORITAROにいたっては、猫にエサを2食分しか置いてきていない。

しかし、行き先のホワイトボードにはこう書かれていた。

『NOT YOUNGMAN 全国ツアー2025 ~行けばわかるさ編~』

彼らの表情が凍ったのは、その瞬間だった。


■ ライブ予定:未定(現地交渉制)

今回のツアーは、あらゆる常識を逸脱している。
ライブハウスのブッキングは一切行っていない。
各地で直接交渉し、空いているステージをその日のうちに確保するスタイル。

まさに“旅と交渉のロックンロール”である。

リーダーMACHIKADOは語る。

「スケジュール決めちまったら、音も死ぬだろ。」

その言葉に、KARASHIは「なるほど」と頷き、
ASHITAYAは「音響設備だけは貸してもらえるとええけどな」とぼやき、
RORITAROは「猫のことが心配」とつぶやいた。


■ 誰も知らない“旅”が始まる

今回のツアーで最も不安なのは、メンバー全員がまだ日帰りだと思っていることだ。
彼らは宿泊用の荷物を持っていない。
RORITAROのフライングVは車に積まれているが、
相変わらず弾かれる予定はない。

ASHITAYAの頭の煙突は、少し不安げに蒸気を上げている。
KARASHIは沈黙しながら、スマホで地図を見つめている。
だが、その地図に「帰り道」はまだ存在しない。


■ Pal Parade Recordsより

今回のツアーは、レーベルとしても完全にノープラン。
私たちもどこへ行くのか知りません。
しかし、確かなのはひとつ――
彼らが生きている限り、音はどこかで鳴っているということ。

行き当たりばったりの旅は、
きっと彼ららしい、ロックンロールの原風景になるでしょう。

彼らの足跡が、どの街のどの夜に残るのか。
そのすべてが「今、この瞬間」に決まっていく。


🎸 NOT YOUNGMAN 全国ツアー2025

~行けばわかるさ編~
出発日:2025年10月30日
行き先:未定
公演数:未定
帰還予定:未定(たぶん誰も帰るとは言っていない)


Pal Parade Records(パルパレードレコーズ)
運営:株式会社maholo

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